前回、子供の頃に作ったビリーフが
悩みの原因であると書きました。こちらです。
ビリーフの種類を紹介する前に、
悩みには「しくみ」がある
ということをご説明しますね。
悩んでいる人は「出来事」で
辛い感情や反応が起きていると思ってしまいます。
しかし「出来事」は
プラスでもマイナスでもありません。
例をあげますね。
AさんとBさんが友達からカラオケに誘われたとします。
カラオケが好きであれば、
それはとても嬉しいお誘いでしょう。
しかし嫌いな人にとっては苦痛でしかありません。
その受け止め方の流れをもっと細かくみていきます。
カラオケのお誘い(出来事)を受けるや否や
思考(イメージや意味付け)が働きます。
この時の思考とは意識して出した考えではなく、
反射的に出てきてしまう無意識的な考えです。
カラオケと聞いてすぐの自動的な反応です。
Aさんはストレス解消できるものと考え、
Bさんは皆に笑われるのではないかと考える、
という具合いにです。
次に感情が動きます。
Aさんにとってはカラオケは「楽しい」、
Bさんはカラオケは笑われるので「怖い」と感じます。
次に行動につながります。
Aさんは前のめりで行くと返事しますし、
Bさんは断り、その話題を避けてしまいます。
Aさん、Bさんで同じ出来事を前に
こうも違いがあります。
実は、出来事と自動的な思考の間に
「ビリーフ」があります。
「ビリーフ」とは、出来事をどう受け止めるか
という眼鏡のようなものです。
それは生まれた時にはありませんでしたが、
あなたが0歳から18歳ころまでに学び得た、
言い換えると刷り込まれた
「思い込み」「固定観念」です。
その子供時代に身に着けた「ビリーフ」が
出来事を歪ませたり、
色を付けたりして見せてしまうのです。
「カラオケ」そのものが悪者ではないのです。
でも、Bさんはそんなことない、
歌うのが下手だから
カラオケの誘いが悩みの原因に
なってしまうと思っています。
でも本当にそうでしょうか?
歌が下手でも
「カラオケで歌うって気持ちがいい」と思い、
喜んで行く人はたくさんいるでしょう。
では何が違うのでしょうか?
Bさんは子供の時、同級生のように
何かうまく出来なかったことで
お母さんから叱咤されました。
そして、みんなのように
うまく出来ない自分はダメなんだ、
と思い込んでしまいました。
「みんなのようにうまくできなければ
自分は価値がない」
そう思い込んでしまったビリーフが、
本当の原因なのです。
歌が上手い下手ではなく、
このようなビリーフがあることで、
カラオケに誘われたという出来事が
逃げたくなるような気持ち(=悩み)につながるのです。
ビリーフは出来事を「歪んで見せる眼鏡」であり、
子供の頃の体験によりいつのまにか形成してしまった
「思い込み・信じ込み」です。
それは決して真実ではありません。
それを作ってしまったのは、
幼いあなたの純粋さゆえで、
あなたのせいではありませんでした。
しかし、その「思い込み・信じ込み」によって、
あなたの人生は大きく影響を受けていたのです。
このようにビリーフを持ち続けたままだと、
人生が窮屈に、不自由に、苦しく
感じることが多くなります。
実は、悩み・苦しみとはあなたに
そのような制限するビリーフがあることを
教えてくれているのです。
あなたが人生で何かに行き詰まっているとすれば、
子供の頃から続けてきたその無理のある生き方が、
もう限界なんだよと教えてくれている
ということです。
悩みを避けると
ますます人生は苦しくなっていきます。
しかし悩みに向き合うことで、
悩みは自分の味方になってくれるものなのです。
もっと幸せを感じていいんだよ、
幸せになるチャンスなんだよということを
必死で教えてくれているのです。
そしてなおかつ、
そんなビリーフを取り除くことはできる、
ということも合わせてお伝えしますね。