現在のあなたの悩みや問題は、
様々なものがあると思います。
仕事のこと、人間関係、経済的なもの・・・
しかし、悩みの本当の原因を
作り出してしまっているものがあります。
それは
リミッティング・ビリーフ(以下ビリーフ)といいます。
それはあなたが子供の頃に
両親の下で生き延びるために作ったマイルールです。
マイルールとは言え自分を制限してしまうルールです。
現在の悩みが作られたのは、
そもそも自分の人生の中での選択の結果です。
その時はそう思った。
そう感じたから、このように決めた。
人生は自覚のあるなしに関わらず
自分で選択しながら進んでいます。
その時は最善の決断をしたと思っても
進んでみたら思ったようにいかなかった。
もちろん、そのようなこともあるでしょう。
ですが、そもそも「最善の決断だ」と思ったことが、
自分の歪んだ眼鏡で見ていた現実から
選んだものだったとしたらいかがでしょう。
極端な例をあげますと、
見た目は普通だけど誠実な男性と
カッコ良くてたくさんの女性からモテる男性と、
両方からプロポーズされたとします。
歪んだ眼鏡で見ている人とそうでない人で、
選ぶ人は違ってくることでしょう。
そこから先の人生ももちろん変わってくるはずです。
ただ、その後も選択の連続です。
カッコいい夫の浮気やお金で苦労したり、
誠実な夫のリストラや事故など
予想もしないことが起きても、
そこでどういう反応をし
どういう行動に移していくのか。
それも自分で選ぶことができます。
しかし、その時にまた
歪んだ眼鏡をかけたままで選択したものは
自分が望まない方向に向かうことになってしまうのです。
それが「ビリーフが悩みの根本原因」という理由です。
ビリーフは、純粋でまだ人生経験の少ない
まるで天使のような幼いあなたが
お父さんお母さんから愛されるため、
あるいは、あなた自身を守ったり、
逆にお父さんやお母さんを守るために
一生懸命、編み出したものです。
そのルールを守ったことで、
両親に愛をもらったり、
見捨てられずに、あるいは安全に
生きていくことができていました。
それが大人になった現在では
逆にあなたの心の自由を奪ったり、
苦しみを生み出す原因となってしまっているのです。
自分を守るために編み出したのに、
それが大人になると足かせになってしまうとは、
もう踏んだり蹴ったりですね・・・。
ビリーフは生まれた時にはないものですが、
成長する中で作り出していきます。
子供が成長する時には、
体の栄養とともに心にも栄養が必要となってきます。
自分を見てほしい、
自分をわかってほしい、
自分を一番に選んでほしい。
子供なら誰しもが求める欲求です。
これらは成長するための心の栄養分です。
しかしありのままの自然な自分では
それがもらえなかったのです。
そのため、ビリーフを作り出し、
どこか無理をしたり苦しい思いをしながら
その心の栄養分を両親からもらおうとしたのです。
その時の苦しみは、
幼かったあなたの心に
しっかりと刻み込まれています。
まるで柔らかい粘土に何かの傷を刻み付けて、
そのまま乾燥させてしまった。
そのようなイメージを私はいつも抱いてしまいます。
一度刻み付けて乾き切ってしまった粘土の傷を、
元に戻そうとするのはなかなか難しいものです。
そのように固定化してしまったビリーフは、
その後のあなたの人生を
作り出していくレールとなる
と言っても過言ではありません。
前述の通り、
ビリーフはいつの間にか
あなたの現実を歪ませて見せるからです。
例えば「私には価値がない」
というビリーフを持ったとします。
すると、「価値がない自分」が基本となって
物事や出来事を見ることになります。
職場の上司から叱責された時、
そのビリーフを持っている人は
「私に価値がないから厳しくするんだ」
と過剰に落ち込み
より一層その上司の前でビクビクしてしまいます。
ですが、そのビリーフがない人は
「私に期待しているから敢えて言ってくれている」
などと思えるのです。
それ以上の心理的な負担はありません。
その後の上司への態度も
特にそれまでと変わることなく接することができます。
長い目で見ると前者の方に、
心理的負担が幾重にも積み重なっていくのは明らかです。
このようにビリーフは、
物事を歪ませてその人に見せていく、
まるで「歪んで見えるメガネ」のようなものなのです。
悩みとは、出来事へのその人独自の反応が
作り出しているものです。
逆に、その「歪んで見えるメガネ」が外れると
(ビリーフを取ると)
物事がそれまでのような見え方、
受け止め方にならなくなるのです。
実はビリーフとは何種類もあるのですが、
その人の人生・人格形成に
大きな影響を与えるものは
24個あると言われています。
今後、おいおいご紹介していきますね。