あなたはもっと自分を許していいです。
唐突ですが、そんなことを伝えたくなりました。
なぜ、このように伝えたくなったか、
個人的なことになりますが、心が動いた経緯をお伝えします。
私の抱えている生きづらさが親子関係
特に母からの有言・無言のメッセージによってもたらされていたというのは、
私自身、20歳前後から書籍などを通して知りました。
ですが、何をどうしていいのかわからず
本を読めばますます苦しくなるばかりで
そこから先へ進めませんでした。
時は流れ、紆余曲折の親子関係はあったのですが
やはり私は心からは親を許せず
数年前、あることを境に連絡を経ったのです。
もう二度と会わないつもりでした。
すると月日が経ったある日、母から手紙が来たのです。
母は70代後半なのですが
ある人を通じてインナーチャイルドの存在を知ったこと
そして本を入手し、書いてある内容に
衝撃を受けたことなどが手紙に書かれていました。
自分のインナーチャイルドが癒やされていないまま子供を育てたことで、
子供たちに厳しくし過ぎたり不安な思いをさせてしまい、
その後の人生の大変な生きづらさを与えてしまったことが
謝罪の言葉とともに書かれていました。
私はその手紙を読んで、ようやく母に
これまで何度伝えども
伝わらなかった徒労感が報われた気がしました。
ただ、母がいくら謝ったからといって
私のインナーチャイルドを母が癒やすことはできません。
理不尽な思いを与えた人がその傷を癒やすのなら道理も通るのですが、
理不尽な思いをした人自身が自分の傷を癒やすしかないのです。
その点においては無念ではありますが、受け入れるしかありません。
私は私のインナーチャイルドを癒やし、
母は母のインナーチャイルドを
人生を卒業するまでに癒やしていくしかないのです。
その後いくつかのやり取りを経て、
私は子供の頃、母の不機嫌さが
不安でたまらなかったことを手紙で伝えました。
母が不機嫌になる理由がわからないので、
自分が何か母の気を損ねるようなことをしているのではないか、
私が何かよからぬことをしているからか、という
得も言われぬ罪悪感が培われていきました。
予想に違わず母が私たち姉妹を怒ることもありましたし、
不機嫌ではあるものの私たちに対しては普通に接することもあり、
いつも落ち着きませんでした。
すると私が書いたことへの返事には、
その頃の母の頭を占めていたことの多くは
母の実母、義母、姉、職場の人などの
人間関係の悩みだったことが書かれていました。
それを読んだ後、じわじわと私の胸に
何ともいえない思いが、涙のようなものとともに広がりました。
「私が悪くて不機嫌だったわけではなかったんだ。私は悪くなかったんだ」
そんな思いで、悔しいようなホッとするような
複雑な心境となりました。
子供である私は、母の事情を知るよしもなく、
いつも不安と罪悪感を抱え、母の顔色を気にしていました。
母が不機嫌になるから私はいい子でいなくては。
このような思いで、不安と緊張でいっぱいでいながらも
何ともないふりをして振る舞っていたのです。
子供なりに精一杯がんばっていたのです。
そのような自分の身に染み込んでしまった生き方は、
その後、ことあるごとに私を苦しめました。
でももう自分ではっきりと言ってあげていいのです。
あなたは悪くないって。
親は親の人生の中で出会う人との間で悩むこと、
思い通りにいかなくて怒ったり悲しんだりすることがある。
親の機嫌の良し悪しのきっかけが
子供のことばかりではない。
そのことはある意味当然でもあり、
大人になり冷静になるとわかります。
ですが子供にはわかりません。
また、たとえ親の心を乱すようなことが
子供の言動がきっかけだったとしても、
根本には親が夫婦、親子、社会の中での何か不安なこと、
心が不安定になっていることがあり、
目の前できっかけとなることをした子供に
叱咤していることが多いのだとも思います。
つまり、他での鬱憤が子供をきっかけに出てしまったと言えます。
本当に子供に対して愛情を持って叱るなら、
子供がわかるように、子供に伝わるように向き合うはずです。
親が未熟だったということに尽きるのです。
自分を責めてしまいやすい方や完璧主義の方、
いつも気持ちが張り詰めている方、
生きづらさを抱えている方等は、
その根底には自覚の有無によらず
生育歴からくる誤った思い込みや心の傷があると考えます。
だから、自分に言ってあげてほしいのです。
あなた自身が原因で
怒られたりしていたわけではないんだよ。
あなたは悪くなかったんだよ。
もっとのびのびとしていいんだよ。
何度も何度も伝えましょう。
潜在意識に根付いている
縮こまり、悲しみにくれるインナーチャイルドに向けて
あなたが一生懸命、愛を伝えてあげてください。