相手を動かすことはできない

今日も日記風ブログです。

よろしければお付き合いください。

先日のワタシの失敗談からです。

 

一昨年、姉が病気になってからずっと定期的に電話をしていました。

それまで特にそんな習慣はなかったのですが、

難病だったため私の心配からです。

 

姉は結婚10年目頃からだんだん身体のあちこちの痛みが出てきて、

いろんな病院を回った末、

ようやくある難病であることがわかりました。

現在は随分痛みもよくなっているようですが、

普通に動けるわけではありません。

自宅内か、外へ出たとしても

玄関を出て庭の花に水をあげる程度だそうです。

 

定期的に話しを聞いているうちに、

私が思っている以上に夫婦仲が悪いことがわかってきました。

私は、病気の姉を支えてくれるいい旦那さんに恵まれて

姉は幸せだと思っていました。

ところが姉にしてみればそうとは思えず、

かなり不満があるようでした。

その夫婦関係の中で子供がどう育つのだろうという私の懸念もあり

つい姉に本心を聞いてしまったのです。

相手に愛情はないのか

夫婦としてはもう形だけのものなのかと。

するとYESとのことだったため

私はそれなら病気も良くなりはしないだろうこと

子供も両親の緊張関係を感じ取り

悪い影響を与えるだろうこと

何より姉が自分らしく生きられないこと等を

言ってしまったのです。

それは姉にとってはまさしく余計なお世話で、

姉には姉の言い分や人生観があったのです。

私は電話を切ってから、

私が姉との境界線を踏み越え

差し出がましいことを言ってしまったことを反省しました。

 

私がこのように言ってしまったのも

そもそも姉の病気というものが他人事ではなく

私の心を揺らすものだったゆえです。

以前、家族看護の勉強をしていた時に、

「家族はモビール」であるということを

講師から教えてもらいました。

家族の一人が病気になるとまるでモビールのように

他の構成員も残らず揺れるということです。

私は姉と同居はしていませんし

家族と言っても親や子供ではありませんから、

そこまでの生活面、心理面での影響はないはずです。

しかしながら、それでも全く揺れないということはないのです。

ただ、私自身の気持ちが揺れることと

姉が病気にどう向き合ったり、

病気の遠因ともなっているであろう夫婦関係を

どうしていくかは別です。それは姉の問題です。

私には姉が難病になったことを思うと心が痛みますが

それと姉の心の痛みは種類も内容も程度も全く違うのです。

 

 

これからも

姉の病気が悪化すると私の心は少なからず痛むことでしょう。

しかし姉をどうすることもできないという事実だけは

しっかり抑えておかなくてはならないことです。

たとえ、病気が悪化しようとも、

婚家で冷えた生活を続けようとも。

そこは姉妹であっても、否、たとえ夫婦や親子であっても

相手をどうにかする、ということだけはできない。

姉自身が自分をどうにかしたい、

夫との関係をどうにかしたい、

自分らしく生きたい

などと本気で思うときだけが

姉の人生を動かしていくのです。

 

他者をどうにかしたくなる。

その思いが強くなってしまう。

そんな時はその相手ではなく

自分をみていく必要がある時だということも言えます。

これまでは姉の気持ちが楽になるように

話しを聞いていることがほとんどでした。

しかしなぜ先日、あのように姉に言ってしまったのか。

それは姉が原因というより、

私自身にそう言ってしまうきっかけがあったからです。

思い当たるフシがあります。

私の心のひずみが、姉に対して出てしまったのです。

そんな時こそ、私の心をみていくために

私自身を誰かに聞いてもらう必要があるのですね。

 

最後までお付き合いありがとうございました。