承認を必要以上に求める理由

 

先日、私の苦しさの原因について

マズローの欲求段階説を用いて書きました。(こちら

第4段階から次の段階に進むことができていなかった話しです。

向かうべき方向(第5段階:自己実現の段階)があるのに

その動機が間違っていたことで

本来の向かう先ではなかったところで

Uターンをしてしまっていた。そんなイメージです。

 

 

その動機とは人に認められることや

優位に立ったり尊敬されることを目的として

進む方向を決めていたことです。

私は、生身の等身大の自分とはかけ離れた

「理想の自分」になることに憧れていました。

当時の私から見て、

人から尊敬され憧れを抱くような活躍をしている人が

私の目指す人物像でした。

私は、その人のようになろうとし

努力によってある程度はそこに近づく道を

たどることはできました。

例えば、進学したり、その人と同じ資格を取って

働いたりすることです。

ですが、それは「形」を手に入れただけであって、

中身は伴っていません。

そして(気づいていませんでしたが)

自分の本物の欲求ではないわけですから、

困難を乗り越える情熱や

継続努力する熱意も湧いてきません。

いつもイライラし心に余裕がなくなったり、

不安で怖気づいたり、

やる気を失うなどの心の不調が出てきました。

目指した当時の意志もすぐに折れてしまい、

何のためにそれを目指したのか

自分でもわからなくなってしまったのです。

それでも自分に言い訳をしながら、

形を変えて自己実現に向かおうとしましたが、

それも偽物の動機だったので同じことの繰り返しでした。

 

 

 

マズローについて調べてみますと、

いくつかの分類があることがわかりました。

その一つに

第4の承認欲求までを欠乏欲求

その次の自己実現欲求を成長欲求とする分類あります。

 

 

欠乏欲求の段階では、

何かが失われた状態になったとき、

その欲求を満たそうと強い衝動が引き起こされます。

例としては

・お腹が空いた(生理的欲求が不足)

・収入が少なくて不安を感じる(安全の欲求が不足)

・孤独を感じる(所属と愛の欲求が不足)

・無視をされて傷ついた(承認の欲求が欠乏)

などがあります。

その欲求が満たされると

私達はその欲求があったことを忘れて、

他の欠けている欲求を満たそうと行動します。

これが、欠乏欲求の特徴です。

 

 

ただ、これら第1〜4段階までの欠乏欲求は

100%満たすことができなくても

ある程度満たすことができれば充足感を感じ、

次の段階へ進めると言われています。

ですから”大満足”とは言わないまでも、

だいたいは満たせているなと思えたら、

次の欲求を満たそうとするのです。

 

 

ですが、私が承認欲求から次に進めなかったのは

「自分で自分を認めていく」ということが

なかなかできなかったからなのです。

実は、承認の欲求はさらに2層となっており

低次欲求と高次欲求があります。

低次の承認欲求は

他者に満たしてもらう

という他者承認を求めるもの。

高次の承認欲求は

自分で自分を認めて満たしていく

自己承認が必要となります。

 

 

 

私にとってなかなか超えられなかった壁は

自分で自分を認めていく、ということでした。

それはなぜか?

その壁の前には

<ありのままの私は重要ではない>という

「リミッティング・ビリーフ」

があったからです。

 

幼少期からいつの間にかできてしまった

思い込みのことを「ビリーフ」といいます。

それは、無力な幼少期を乗り越えていくために身につけた

いわば「人生のルール」です。

役に立つルールならいいのですが、

大人になってから逆に足かせ

なってしまっているルールがあります。

そのことを特に

「リミッティング・ビリーフ」

と言います。(以下「ビリーフ」と書きます)

それは、いつの間にか

自分の人生の自由を阻害し、

身動きを取りにくくさせてしまうのです。

 

 

 

私の持っていたビリーフの例で言えば

私は本来タンポポなのだ、

タンポポのままで美しい重要な存在だ

と自分を認められれば

精一杯タンポポの一生を送り、

自分に誇ることができるのです。

しかし、バラを見て

「あのように華やかになりたい。

人から喜ばれる重要な存在になりたい」などと思い、

タンポポの自分を否定し

憧れのバラに見せようと努力しても、

苦しくなるのは当然です。

タンポポがタンポポとして

最高の状態で咲いていくのが

第5段階を生きることになります。

 

 

人生の足かせともなるこの「ビリーフ」には

いくつかの種類があります。

そのことについて、

また後日もう少し詳しくお伝えしたいと思います。