苦しみが反転するとき

 

私が受けているある研修会の講師は、

生育時から数々の困難があったようでした。

研修中に先生自ら話して下さるので、

こちらが尋ねてなくても幼少期から学生時代、

就職後で生じた苦しい出来事をたくさんお聞きします。

受講生にこのように

包み隠さず心を開いて話して下さることに

私は尊敬の念を抱きます。

そこまでのお辛い経験を、

こうして私達の前で話して下さったり、

教えて下さるまでに乗り越えられたのだなぁと

素直に感じます。

仮に私が、その先生のような環境で育ったら

どうだろう。

先生のように人の前で

自分の過去、かなりのネガティブな思いも話せるかなと

首をかしげます。

弱い、おかしいと思われてしまうのではないかと

話すのを避けてしまうのではないかと思います。

 

 

ネガティブな思いは、

それを自分で真に受け入れた人にしか

周囲に伝わらないものです。

だからこそ、弱い(弱かった)部分を

見せてくださる人を尊敬するのです。

弱さだったところは受け入れたことで

その人の強さに変わっているのです。

自分はこんなに苦労をしてここまでの人物になったと

自慢するような思いが見え隠れするような人は、

聞いていてもあまり心の中に響くことはありません。

ふーん、大変だったのですね、

で終わってしまいます。

でも、その先生は

自慢気でもなく、押し付けるでもなく

過去の自分の痛みを

自然体で話しているように感じられるのです。

 

その先生が、悩みが人一倍多かったことに対して

このように言っておりました。

 

「悩みは解決しないで放っておいたら人生の足かせになります。

でも解決し乗り越えたら、自分のリソース(資源、財産)になります。

苦しい状況があることや悩みがあることは、

もともと何もなかった人よりプラスが大きい。

苦労した人がそれを乗り越えた時、

悩みがなくなってゼロになるのではなく

その分が大きなプラスになります」

 

本当にご苦労された先生が伝えてくださった言葉ゆえ、

重みを感じました。

乗り越えた人にしか言えない

素晴らしい言葉です。

たくさんのネガティブな出来事や思いがあっても、

それを真に乗り越えた時に反転

人生からの唯一無二のギフトになるということを

言葉でも、そして存在からも

証明して下さっています。

 

 

 

 

悩み、苦しみを足かせのままにするかギフトにするか。

ギフトにするにしても

簡単なものではないことは確かです。

でも、このままでいたくないという思い、

もっというと

自分を粗末にしたくない

自分を見捨てない

という強い思いがあってこそ、

それを可能にするのだと思います。